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● マイナーの死体?
野鳥と遊ぶ[追]:足の悪い鳥たち
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日本ではよほどでない限りみかけないが、ここでは頻繁に骨折した若者を見かける。
松葉杖にすがって歩いている。
日本ではなんとなく眼をそむけてしまうが、ここでは青少年のシンボルである。
原因はトランポリン。
子どものいる家では、だいたい庭においてある。
それだけの敷地の広さがあるということ。
でもこれ、相当に危険。
2,3m飛び上がってうまくマットの中央に降りられればいいが、慣れないと縁に着身し、腕や足が周囲の鉄枠にぶつかる。
トンと軽くぶつかるだけで骨折する。
あの不安定さはタダモノではない。
あるいはトランポリンからおりようとすと、1mくらいの高さがあり、かつ揺れて安定しない。
ためにバランスを失いうまく着地できない。
すっ転んで足を詰まらせ骨折となる。
あるいは手を突いて骨折にいたる。
我が家にも松葉杖がある。
以前に知人が足を折って使ったものであるが、そのまま置いていったもの。
今ではほこりをかぶっているが。
空飛ぶ鳥にも骨折が多い。
なぜだろう。
もちろん、鳥はトランポリンなどしない。
「コカツー」に書いたが、足首が曲がっている鳥がいた。
そこから折れており、足先は効かず枝などをつかむことができない。
でも足首が使えて体重を若干でも支えることができたので、動きに不自由はなかった。
だが、ツガイを形成することはなかった。
悲劇的なのは下のウッド・ダック。
ようく見てみるとわかりますが、右足がない。
● 左足一本のウッドダック
ウッドダックは鳥のなかでもよく歩く鳥。
プラバーと双璧をなす。
どちらも水鳥。
ウッドダックはヒナがかえると、ファミリーで長距離のお散歩へ出る。
雑木林から道路まで100m、それから道路向かいの家に入っていき、そここらあちらこちらと家族で散策を楽しんで、また雑木林を横切って川へ戻っていく。
日に歩く距離は有に1キロを超えるはずである。
ヒナがいなくても、つがいでブラブラと歩いている。
車から撮れる写真は、歩道を気持ちよく歩いているダックである。
この片足鳥、ピョンピョン跳ねて歩く。
この体力的負担は大きいだろう。
よって、一羽でうずくまって時を過ごす時間が長い。
もちろん飛べるが。
もともとは6羽のヒヨコの1羽であった。
このときはちゃんと足があり、皆と一緒に遠足を楽しんでいた。
もし、ヒヨコのとき足が悪いと仲間にはついていけない。
ウッドダックは俗称「子捨て鳥」
親は不運な子どもをかまってはいない。
それより先に、何かあればヒヨコを捨てて、自らが逃げるようにプログラミングされている。
それを補うように、たくさんの子どもを産む。
親鳥を含めて8羽のファミリー散歩を何回も見かけた。
ヒヨコが大きくなり、体格は親鳥と同じになり、飛べるようになったが8羽ファミリーの散歩はしばらく続いた。
が、しばらくして数が一つ減った。
ネコにやられたかな、と思ったがちがう。
一羽だけ、散歩についていけずに庭のあちこちをウロウロしたり、うずくまりはじめた。
そして戻ってきたファミリーにピョンピョンついていき、川に戻っていく。
だが、ダックの泳ぎは水かき足を動かすことによって進む。
とすれば、水のなかでもファミリーに遅れがちになる。
ファミリーは待ってはくれない。
陸とおなじように、おいてけぼりになる。
それも最近みかけなくなった。
片足ではエサを採るのも不自由だろう。
おそらくは淘汰されて、もう生きてはいないだろう。
かわいそう、といってもどうなるものでもない。
それが優しい自然の法則。
強いものだけを残していく。
でないと種の存亡にかかわる大事になる。
ところで、なんで右足がなくなったのだろう。
折れたなら折れた状態で付いているだろうと思うのだが。
ということは、何かに食いちぎられたのか。
何に。
カモの足を食いちぎる生き物などいるだろうか。
下はトップの写真を拡大したものです。
死体らしきマイナーは口に何かくわえています。
● マイナーの死体?、拡大図
死体ではありません。
足が悪く動けないのです。
それで右側が親鳥で、エサを運んでやったところです。
別の写真を見てみましょう。
● 起きたマイナー
見る限り、両足骨折で尻でおき、折れた足の付け根で支えているような感じです。
これでは自分でエサを採るというわけにはいかないでしょう。
● 親鳥がエサを運んでやる
この写真だけならいい。
ほのぼのとした親子愛ですむ。
● 「エサ」くれ
● 親鳥がまたエサを運ぶ
● 「まだ、足らん」
● 「うるさいネ」といいながら親鳥はせっせと
● 親鳥は大変です
だが、自然はさほど甘くない。
こんな状態ですから、外敵はいる。
マグパイがきてときどきつっつく。
羽はあり、もう飛べますから逃げる。
逃げたところで、枝に止まれるわけでもなし、またどこかの雑草の上に転がるしかないのです。
自分でエサがとれない以上、待っているのは死しかありません。
● 動けぬマイナー
おそらく、あと数日とは生き延びられなかったのではないでしょうか。
適者生存、弱肉強食の自然の習い。
まれに雑木林で鳥の死体を見かけることがあります。
あとで埋めてやろうと思って、用事をすませて小一時間していってみると、きれいに消えています。
カラスやマグパイ、アイビスあるいは他の鳥のエサになってしまったのでしょう。
ところで、疑問に思うのは、なぜ両足骨折してしまったかである。
飛べないヒヨコが巣から落ちるということは、度々ある。
これなら骨折もするだろう。
でも巣に戻れない以上、間違いなく死が待っている。
しかし、飛べるまで成長した子鳥がどうして、骨折するのだろう。
それも両足一度に。
不思議なこと。
鳥は飛べる、という先入観で見ているせいか、足の骨折などというのは考えられないことです。
犬猫は自然治癒の力が備わっており、骨折ぐらいはしばらくすると直ってしまいます。
でないと、四足の動物は生きていけない。
鳥のメインは羽根であって足ではない。
おそらく自然治癒の能力は与えられていないのではないだろうか。
これは素人の勝手な想像ですが。
とすれば、骨折のまますごすか、死をまつだけかになる。
でも、骨折した鳥を度々見かけるということは、なんとも不可思議なことである。
鳥とは、さほどに骨折しやすい生物なのであろうか。
「野鳥と遊ぶ」にしては、ちょっと厳しい内容になってしまいました。
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